サイト移転のお知らせ
こちらのページは「介護職員マリコの本音ブログ」に移転しました。詳しくは下記URLをご参照ください。
介護派遣ランキングでは、高い時給、サービス残業が無いといった、派遣社員ならではのメリットについて詳しくご紹介しています。
しかし、良い面だけを伝えてばかりでは、求職者の皆さんの為にならない。介護派遣のデメリットについても、包み隠さず知ってもらうべきだと感じました。
そこで今回は、介護派遣のデメリットを洗いざらい全てご紹介します。メリットとデメリットの両方を十分に理解して、介護派遣という働き方を検討してください。
派遣社員はボーナスや昇給制度がない
ご存知の通り、介護派遣にはボーナス(賞与)が存在しませんし、勤務歴に応じて給与がアップする昇給制度もありません。
ですので「今月はボーナス月だから~」や「昇進して基本給がアップしたから~」という正社員のワクワク感は、介護派遣では得られないでしょう。
ただし、そこは介護業界。正社員でもボーナスが少ない、または全く支給されない職場も少なくありません。
また、昇進して数千円しか基本給が増えないなんてよく聞く話です。
そのため、ボーナスや昇給制度がない派遣社員の方が、正社員より年収が高くなるケースも珍しくありません。
パートであれば勤務歴に応じて時給がアップする場合もありますが、それでも派遣社員の時給には到底及びませんからね。
あらかじめ決められた時給で、働いた分だけの給料が振り込まれる。
いたってシンプルな派遣の給与形態ですが、残業が当たり前の介護職においては無駄がない働き方なのかもしれません。
派遣契約期間が決まっている
仕事が決まった派遣社員には、いつからいつまで就労するのか定められた派遣契約期間が設けられます。
派遣契約期間は仕事によって様々。一般的には3ヶ月更新が多く、長いと6ヶ月更新、短いところでは1ヶ月更新となっています。
派遣契約期間が近づくと、更新して引き続き同じ派遣先で働くことも可能。ただし、施設側が派遣社員を必要とした場合の話です。
ですので、派遣契約が終了となった場合は、すぐに別の派遣先を探す必要があります。でないと、無職同然になって給料もストップ…。
派遣先が決まったから安心という考えでは危険。派遣社員とはいえ、その次、そのまた次の働き口は保証されていません。正社員の内定とは全くの別物ということです。
と、恐怖心を煽るような言い方をしましたが、今の介護業界にはあまり当てはまりません。介護派遣の仕事は想像以上に多い。
今の介護業界は、職員の半数以上を非正規雇用に頼っている状況。正規雇用の離職率が高く、常に人手が足りない緊急事態です。
さらに拍車をかけるのは、これから訪れる超高齢化社会。団塊の世代が高齢者となり、介護施設もさらに増えます。そうなれば、そこで働く介護士も必要になります。すると正社員ではカバーしきれず、結局は派遣に頼るしかありません。
少なくとも2060年までは高齢化社会が続くため、介護サービスの需要も増え続けます。ですので「派遣契約期間が決まっている」というデメリットはあっても「介護派遣の仕事がない」ということではないで安心してください。
派遣切りの覚悟も必要?
介護施設が派遣社員を必要とする理由は、人手不足を補うための応急処置のようなものです。
つまり、正社員やパートといった直接雇用の介護士が採用できれば、派遣社員は優先的に契約終了、つまり派遣切りという形になります。
また、直接雇用の採用だけでなく、派遣社員の能力が著しく低い場合や、多くの派遣先から評判が悪いといった場合、派遣会社の登録自体が解消されることも考えられます。
今となっては、新しい労働者派遣法で派遣社員が守られ、一方的な派遣切りは無くなりましたが、「介護派遣に登録したから絶対に仕事に就ける」といった安易な考えは命取りになるかもしれません。学びの姿勢は崩さずに、日々スキルアップを心がけることが大切です。
派遣の仕事の範囲は限られている?
派遣社員というポジションはあくまで「助っ人」という即戦力。基本的には、利用者様の身体介護や生活援助など、介護士であれば誰にでもできることが主な仕事になります。
ですので、時には掃除や洗濯といった雑用を任せられる場合もあります。
いろいろな介護施設で実務経験が積めるというメリットの一方、どうしても単調な現場仕事が多くなりがちです。
リーダーとして数名の職員をまとめたり、レクリエーションやイベント行事の企画運営、ご家族の対応、役職に就いて施設の経営に携われるのは正社員だけ。
介護派遣ではスキルや経験に応じて任せられる業務も様々ですが、責任者としてワンステップ上の実務経験を求めるのであれば、正社員として働く方がいいでしょう。
派遣は人間関係で悩む?
「派遣先の上司が厳しい」「他の人より扱いがひどい」「挨拶しても無視される」
介護派遣ではよくある人間関係の悩みですね。
しかし、派遣社員に限ったことではありません。こうした人間関係の悩みは、職場によって異なりますし、他人や自分の性格も原因だと思いませんか?むしろ就労期間が決まっている派遣社員のほうが、人間関係で悩むことは少ないと思います。
自分と合わない上司がいる、雑用ばかり押し付けてくる、職場の雰囲気が嫌ということなら、ちょっと我慢して更新しなければいいだけの話。短い付き合いです。無理に派遣先の職員と仲良くなる必要はありません。
ただ、私がこれまで働いた派遣先では、そういった人間関係の悩みは一切ありませんでしたよ。
職場の皆さんが派遣社員という前提で接してくれるため、手取り足取り仕事について教わりましたし、定時で帰っても文句を言われることはありませんでした。
ひどい扱いを受けるどころか、上司や同僚には言えない愚痴や悩みを相談されることもありました。外部の人間だから話せる内容もありますからね。
正社員であれば簡単に辞められないので、人間関係の悩みも我慢が必要。しかし、派遣社員であればもっと気軽に働けると思います。
派遣契約期間中は辞められない?
派遣雇用は、自分と勤務先ではなく、派遣先と派遣会社の契約によって成り立っています。
そのため、派遣社員の身勝手な理由で派遣契約期間中に仕事を辞めるということは絶対にあってはなりません。
ただ「どうしても辞めたい!」ということであれば、派遣会社もそれなりに対応してくれるはず。
例えば、当初3ヶ月だった派遣期間を2ヶ月に短縮してくれたり、代わりの派遣社員が見つかり次第交代という方法も可能でしょう。
急にバックレるのではなく、辞めたくなったら一度担当者に相談。もちろん、担当者は引き止めにかかるので、しっかり説得して話し合った上で辞めるようにしましょう。
派遣社員でも責任は重い?
医者、看護師、保育士と同じで、介護士も人様の命を預かる仕事です。
接する相手は体が弱っている利用者様で、入浴介助や移乗介助など身体介護を行う機会も多い。そんな中、もし転倒して大ケガしたら一大事。
でも、介護事故の責任は正社員が取ってくれる…わけありません!介護現場で「派遣社員だから」という甘い考えは通用しませんよ!
派遣社員や正社員は関係なく、介護業界で働いている時点で責任は付き物。安全性に関しては正社員同様の高い意識が求められます。
派遣社員は福利厚生が手薄い?
転職の際、給与額と合わせて気になる福利厚生。育児休暇、住宅手当、慶弔見舞金など、会社が様々なサポートを行ってくれます。
しかし、派遣社員の福利厚生は手薄く、正社員ほどのサポートは受けられません。ですので、給与以外の手当は期待できないでしょう。
ただ、各種社会保険完備や有給休暇など、福利厚生を充実させている介護派遣会社も増えています。
例えば「スタッフサービス」では通勤にかかる交通費を全額支給しています。また「かいご畑」を運営するニッソーネットでは資格が無料で取得できるキャリアアップ応援制度を実施しており、派遣社員でも利用可能となっています。
正社員ほどではありませんが、介護業界の派遣社員は最低限の福利厚生が整っており、普通に働く分には困ることはないでしょう。
介護派遣の求人は都心部に集中してる?
介護派遣の仕事を探して感じることは、都心部ほど求人数が多いということ。
確かに、東京、神奈川、大阪、名古屋、福岡など、人口が多い地域の方が派遣求人は多く募集されており、地方だと不利な気分になりがちですよね。
ただ、他の派遣求人と違い、介護施設は全国各地にあります。
求人件数で見れば都心部の募集は多いですが、地方はそもそも働き手が少ないため、求人倍率ではほとんど差はありません。
ですので、介護派遣として働く場合でも、希望勤務地を優先して仕事を探すことができます。
介護派遣は無資格だと働けない?
介護職は資格がモノを言う業界です。介護福祉士を取得してからが一人前という考えもあり、無資格者への風当たりはやや厳しめ。
そのため、多くの介護派遣会社では、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)以上の資格保有が登録条件となっており、資格を持っていない人は派遣登録を断られるケースも珍しくありません。
ただし、無資格者でも働ける派遣会社があります。資格取得支援を行っているニッソーネットの「かいご畑」です。
登録後は無資格OKの派遣求人で働きながら、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)の講義を無料で受講。タイトなスケジュールになりますが、仕事も見つかり、資格も無料で取得できるなんて一石二鳥ですよね。派遣に限らず、これから介護士を目指す人にもおすすめですよ。
派遣求人にはブラック企業が多い?
派遣社員に頼る会社は、あまり良い会社ではない。つまり、派遣求人にはブラック企業が多いという考えですが、あながち間違いではないと思います。
派遣社員は正社員よりも人件費コストが高いので、会社としては頼りたくないサービス。
そんな派遣社員に頼らなければいけないほど、人材不足が進んでしまった会社も含まれているということです。
そもそも、職員の定着率が高い会社に派遣社員なんていません。
入居者の質が低い、給料が上がらない、人間関係が悪いなど、職員が辞める理由は様々ですが、派遣先にブラック企業が紛れている可能性は高いのかもしれませんね。
ただ、正社員と違って、そこの会社で一生働くわけではありません。たった数ヶ月です。労働者派遣法で守られているため、休日出勤やサービス残業もありません。
普通の派遣先に比べて職場の雰囲気が良くないだけ。派遣社員は給料も高いし定時上がりなので、あまり気にする程ではないと私は思います。
あまりにも酷い状況ということなら、直ちに担当者に相談して途中で派遣契約を終了してもらいましょう。
派遣社員は将来が不安
「派遣は今が良くても将来が不安」という意見を持つ方も多いことでしょう。
正社員の初任給よりも稼げるし、パートよりも時給が高い。おまけに残業なしで働く日にちも自由な派遣。
でも、ずっとこのまま派遣社員として働くのは不安に感じるかもしれませんね。
給料に関してもボーナスや昇給が存在しないので、介護派遣で月30万円稼げても、年収は360万円止まり。
福祉介護業界の平均年収は336万円ですが、全業種の平均年収は20代で346万円、30代で455万円、40代で541万円、50代で661万円。30代以降は平均年収以下になってしまいます。
介護派遣と全業種(年齢別)の年収比較
DODA平均年収ランキング2017(年齢別の平均年収)
正社員なら、年齢や経験に応じて役職が与えられ、昇給してボーナスが増え、年収もアップします。ただ派遣社員にはこれがない。
結婚して家族が増えればお金が必要になります。マイホームや老後を考えても貯金をしなければなりません。
お金の悩みは尽きませんが、将来を真剣に考えるようになったら紹介予定派遣で正社員を目指してみましょう。
就労期間が決まっている通常の登録型派遣と違って、紹介予定派遣は正社員雇用が前提とされた派遣求人。派遣社員として試しに働いてみてから、正社員になるか決められる制度です。
まずは登録型派遣で介護職について経験し、正社員を目指す時に紹介予定派遣へ切り替える。とても賢いキャリアプランだと思いませんか?
介護派遣で働いているみんなの体験談
派遣切りは無いと思う
リーマンショク頃に「派遣切り」という言葉が話題になったけど、今の介護業界ではあり得ない。むしろ次々と仕事が紹介されてる状態。どこの施設も人手が足りないと実感します。暇より忙しいほうがマシ。派遣の中では安定している業界は間違いなく介護でしょう。(派遣社員3年目 / 30代男性)
派遣だからという差別はない
介護派遣として働き出した当初は、雑用ばかりの退屈な仕事を覚悟していました。でも実際に働いてみると、正社員もパートも関係なし。ご家族対応などは社員リーダーが行いますが、現場の業務はほぼ同じです。だから、休憩や仕事終わりも同じ目線で接してくれる。一緒に頑張る仲間に派遣社員の私も含まれています。(派遣社員2年目 / 40代女性)
高時給だけど給料は上がらない
派遣は決められた時給。パートや正社員に比べてスタートの給料はかなり高く、夜勤専従とかなら月収30万も可能。でも、それ以上は難しい。介護で年収400万円以上なら昇給やボーナスがある正社員しか無理。逆に、平均年収が低い10~20代、介護未経験~3年くらいなら派遣がおすすめですね。実務経験が積めるし、手取りも多いし、残業もほとんどないし。プライベートの時間が全然違う。頑張って資格を取得して、4年目からは紹介予定派遣や転職支援を活用して、正社員を目指すって選択肢が安定な気もする。(派遣社員5年目 / 20代男性)
メリットも多い介護派遣
今回はデメリットをまとめましたが、それでも介護派遣のメリットは大きい。私自身も転職する際には派遣のメリットとデメリットを天秤にかけて慎重に決断しました。
将来のことも考えましたが、今のライフスタイルには派遣と言う働き方が合っていると思い、派遣会社に登録しました。
介護派遣のメリット
- 時給が高い
- サービス残業がない
- 働く時間の融通が利く
- 夜勤専従として働くことができる
- 実務経験を積むことができる
- 人事異動や業務兼任がない
- 職場の人間関係に悩むことがない
- 採用面接や履歴書がない
- 派遣会社によるサポートや福利厚生が手厚い
- 紹介予定派遣で正社員の道も選べる
労働環境が問題となっている介護業界では、もしかすると派遣社員が最も適した働き方なのでは?と感じています。
上がらない給料、サービス残業、面倒な人間関係…。今の雇用条件に悩んでいる正社員、契約社員、パートの方は、派遣社員という働き方を検討してみてはいかがでしょうか?