介護業界で働く方の中には、サービス残業の多さに悩んでいる方も多いはず。
求人情報では8時間勤務と書いてあったのに、毎日2時間以上の残業。しかも残業代が出ないサービス残業だったなんて状況。
なかなか家に帰れないし、ボランティアで働いていると思うとイライラ。
そんな方には介護派遣がおすすめ。派遣介護士ならサービス残業は一切ありません。残業代も全額支給されますよ。
サービス残業がない介護派遣の仕組み
いくら頑張ろうが1円にもならない辛いサービス残業、出来ることならしたくありませんよね。
そんな方に朗報!介護派遣にはサービス残業がないんです!
その理由は、介護派遣ならではの仕組みが関係しています。
派遣登録すると派遣会社と雇用契約を交わします。その後、紹介された介護施設に勤務する。これが介護派遣の仕組み。
給料の支払いや社会保険の加入は派遣会社で行いますが、業務指示は派遣先の介護施設が行うことになっています。
正社員であれば、雇用契約も業務指示も介護施設が行うため、残業しても残業代を支払うかどうかは自由に決められます。つまり、職員にサービス残業させ放題というひどい状況。
しかし介護派遣の場合、給料を支払うは派遣会社。自社スタッフである派遣介護士がどれだけ働いて、どれだけの残業をしたかを把握しなければなりません。
つまり「タダ働き」といった不正がそもそも出来ない仕組みとなっています。
悪く聞こえるかもしれませんが、派遣会社にとって派遣介護士は大切な商品。使った分だけ、料金を請求しないと損。
無賃労働のサービス残業なんて言語道断というワケなんです。
派遣介護士へのサービス残業指示は労働基準法違反
そもそも、サービス残業は労働基準法違反だって知っていますか?
本来であれば、正社員であっても残業代は全額支払われるべきなんです。
ですが、雇用主と従業員という立場上、仕方なくサービス残業を受け入れているのが実情。解雇されるくらいならと、渋々働いている方が大半かと。
一方の介護派遣は「派遣会社」と「介護施設」が対等な契約を交わして成り立っています。
先ほども説明した通り、派遣介護士という価値ある人材をリースしているようなもの。誤魔化すなんてできません。
会社と会社の管理下の元、安心して働くことができることも介護派遣のメリットでしょう。
そうした理由もあってか「サービス残業して当たり前」といった風潮が強い介護業界では、あえて派遣介護士という働き方を選ぶ方が増えています。
派遣介護士をサービス残業から全力で守る派遣会社
もし、介護施設が派遣介護士にサービス残業を強制したらどうなるのか?
この場合、労働基準法違反で罰則を受けるのは、なんと雇用主の派遣会社になるんです。もちろん介護施設側にも責任が問われますが、無報酬の時間外労働をさせたという理由で派遣会社に行政指導が入ります。
労働基準法以外にも、派遣社員の労働環境保護を定める「労働者派遣法」も厳守しなければなりません。
参照労働派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
「労働基準法」や「労働者派遣法」を何よりも守らなければいけない派遣会社。
派遣介護士がサービス残業していないか、派遣先で不当な扱いを受けていないかを、派遣会社は常に注意を払っています。
介護派遣なら残業代も割増で支払われる
介護派遣にサービス残業はありませんが、ちょっとした残業をお願いされる事はあるでしょう。
そうした場合でも、残業代は必ず支払われるので安心してください。
介護派遣は時給制なので、残業時間も勤務時間に含まれます。タイムカードに記入された勤務時間で、給料を支給してくれますよ。
また、労働基準法では1日8時間、週40時間を超える残業には、通常の25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。
さらに、深夜労働(22時~翌5時)の残業は25%以上、休日出勤は35%の割増賃金となります。
- 時給1200円で残業(25%増)なら時給1500円
- 時給1200円で残業(25%増)+夜勤(25%)なら時給1800円
- 時給1200円で残業(25%増)+休日出勤(35%)なら時給1920円
このように、派遣介護士の残業中は通常では考えられない高時給となっています。これは率先して残業したくなりますね。
しかし、派遣介護士が残業すれば、それだけ介護施設が負担する派遣料金が高くなるというもの。
派遣介護士に残業させるなら、正社員に残業させた方が安上がりです。
そういった背景もあり、派遣介護士が残業する時は必要最低限。日常的に残業できる職場は、むしろ珍しいくらいです。
介護派遣の残業時間は平均どれくらい?
介護派遣の残業時間は、派遣先の介護施設によって様々。
例えば、正社員が採用できるまでの穴埋めとして、派遣介護士を利用する施設は残業多め。
逆に、介護保険法で定められた施設規模に対して、必要な職員数を満たすために派遣介護士を依頼している施設は残業少なめ。
私が以前に働いていた派遣先では、だいたい月5時間が平均でした。職員が欠席したり早退したりした場合に、残業をお願いされることが多かったですね。
「絶対に残業したくない」「残業してお金を稼ぎたい」など、それぞれ希望があると思いますので、派遣会社のアドバイアーに相談してみるといいでしょう。
介護派遣の残業上限は月45時間まで
労働基準法では1日8時間、1週間で40時間の法定時間外労働を超えてはならないと決まっています。
ですが、36協定(サブロク協定)を締結すれば週15時間までの残業、月45時間までの残業、年360時間までの残業をさせることが可能になります。
介護派遣にも上記が適応されるため、月の残業時間の上限は45時間ということになります。
が、残業代を全額割増支給の派遣介護士に、45時間も残業させる職場なんて聞いたことありません。
ただ、これが直接雇用の正社員であれば別。過労死ラインの単月100時間以上なんてザラだから怖いですよね。その点でも、介護派遣は安心だと思いませんか?
介護派遣は残業なしって本当は嘘?
よく「介護派遣なら残業なし」と記載しているブログを目にしますが「絶対に残業がない」「残業0時間」という保証はあり得ません。おそらく、そのブログ運営者は介護業界で働いたことがないのでしょう。
介護職経験がある方ならお分かりになると思いますが、常に予想外の事態が起きるのが介護の現場です。
派遣が残業しないと現場が回らない時があれば、病欠の社員の穴埋めをしなければいけない日もあります。
ご利用者様が転倒して病院に搬送されたり、寝たきりの入居者様の容態が悪化したりと、臨機応変な動きが求められる介護の仕事。
絶対に残業したくない!という強い意志があれば、断るのもありです。
ですが、目の前で助けを必要としている時に定時で帰宅できるという方は、そもそも介護職に向いているのか疑問に感じます。
それよりも、残業中は時給もアップすることだし、残業させて頂けるなら!という気持ちも、派遣介護士には大切なことだと思います。
派遣介護士に残業させない職場
とはいえ、介護派遣を利用する介護施設側としては、出来ることなら、派遣介護士には残業させたくないというのも本音。
介護事業の主な支出は人件費となっています。つまり、人件費を削ることで利益が出るとも言えます。
国や自治体から支給されるわずかな介護報酬では、黒字にするだけでもやっと。
もし、派遣介護士に残業させない職場に派遣されても、経営状況が厳しい介護施設の都合も汲み取ってあげましょう。
それでも介護派遣で残業したい時は?
それでも、介護派遣に登録して、残業してお金を稼ぎたいというハングリーな方は、派遣会社のアドバイザーに相談してみるといいでしょう。
派遣求人の中から、比較的、残業が多い派遣先を探して、紹介してくれるかもしれません。
ただ、残業が多い派遣求人は意外と人気。そのため根気強く探す必要がありそうです。
あとは、仕事の掛け持ちですね。残業してまでお金を稼ぎたいという意欲があるなら、いっその事、もう一つ別の仕事を掛け持ちしてはどうでしょうか?
介護とは異なる業種で気分転換してもいいし、両方とも介護業界にして実務経験を積み重ねてもいいですね。
介護派遣には夜勤帯だけ働く「夜勤専従」の仕事もあるので、日中の時間確保も可能です。
私の同期には、日中はデイサービスのパートで働いて、夜は派遣の夜勤専従、というワークスタイルの人もいましたよ。(ただし、かなりキツそうでした…笑)
パート・アルバイトでもサービス残業がある介護職
人手が足りない介護職では、パートやアルバイトといった非正規社員でもサービス残業を強いられるケースが目立ちます。
介護施設は休憩もサービス残業もあるもの?
パートとしてデイサービスで働き始めましたが、求人内容とあまりに違っていて驚いています。
①勤務開始時間より早くて1時間前、遅くても15分前には仕事を始めること
②休憩は1時間とありましたが実際は昼休憩を含む休憩は一切なし(昼の食事は利用者と一緒)
③残業は無しとありましたが実際は15分から1時間は当たり前
④求人の休憩あり分1時間も就業時間に早く出勤した分も残業もサービスで支払い無しある程度は譲れますが・・・毎日1時間以上ものサービス残業だと時間給で考えると700円台きります・・・
介護職は、上記のような職場が多いのでしょうか?
先行きが不安になりました・・・
現在、他の介護職の内定も頂いているので、そちらでも検討すべきでしょうか?
勤務初日から普段は肩こりのない私が肩コリ、そして足もパンパン
初日なので仕方ない部分もありますが介護職が初めてということもあり、非常に不安を感じております。
ヤフー知恵袋より引用
派遣社員と同じ時給制のパート・アルバイト。しかし、大きな違いは介護施設の直接雇用ということです。
非正規社員とはいえ、介護施設にとっては雇用主と従業員の関係性。
サービス残業させても、従業員本人が労働基準法違反を訴えない限りなんら問題はありません。
サービス残業の時間も含めると、最低賃金を大きく下回るなんてことも。
介護派遣は、勤務時間やシフトの希望が出せます。時給もパートやアルバイトより高額。福利厚生だって手厚くなっています。
もはや、パートやアルバイトで働くメリットとは何なんでしょうか。
同じ時給制で働くなら、サービス残業がない派遣介護士として働くべきでしょう。
休憩が取れないのもサービス残業と同じ
午前の業務が忙しくて、お昼休憩が取れない。
イレギュラー業務が多発する介護現場では、よくある光景です。
介護職パートの休憩時間なしは、普通ですか?
先月から、パートでグループホームで働き始めました。
求人票には9時間中、休憩1時間とあったのですが。働き始めると、休憩時間は、ありません。
ちょっとお昼に、コンビニとか、銀行とか行ける雰囲気がありません。9時間ずーっと施設の中で、昼食も利用者と一緒、職員の控室もないのです。お昼を食べながら、利用者の食事介護、トイレ介護とか、記録書きに潰れます。
介護職は初めてです。お年寄りと接するのはやりがいもあり、楽しいのですが、9時間休憩なし、しかも給料は8時間分なのが、体力的にきつくもあり、納得いかないのです。
職員(私のほかは皆正規職員)は、介護職ってどこもこんなものって言っています。職員の皆さんはてきぱきと働き素晴らしいですが…
どこも同じようなのでしょうか。皆様のところはいかがですか?
発言小町より引用
しかし、労働基準法では勤務時間に応じて休憩時間の付与が義務付けられています。
労働時間ごとの付与される休憩時間(労働基準法34条1項)
- 6時間以内の労働:休憩を付与する義務なし
- 6~8時間以内の労働:45分以上の休憩を付与する
- 8時間を超える労働:1時間以上の休憩を付与する
ですので「忙しいから休憩は30分だけ」「ご飯だけ食べて来て」「今日は休憩なしで行こう」というのは労働基準法違反。罰則の対象です。
介護派遣なら「みなし残業」もない
正社員の雇用契約には「みなし残業(固定残業代制度)」が含まれている場合があります。
みなし残業とは「月30時間は残業するとして、それを踏まえた上で月給20万円ね」といった取り決め。
つまり、月30時間以内の残業には残業代が支給されないという賃金体系です。冷静に考えると結構むちゃくちゃですね。
みなし残業の上限は労働基準法に沿って月45時間までとなっています。
「介護派遣にもみなし残業があるの?」と不安になる方もおられますが、もちろん介護派遣にみなし残業といった制度はありません。
基本給で月に何時間働かされるのか、イマイチ不透明な正社員。
それに比べて派遣は完全時給制。働いた分だけ、きちんと給料に反映されます。
介護業界では「残業を減らす」のではなく「サービス残業をなくす」ことが重要
高齢者を相手にサービスを提供する介護職は、イレギュラーな業務が頻発する仕事です。
- なかなか食べてくれなくて食事介助が長引いた
- 突然のご家族の来訪で対応が必要になった
- 転倒で怪我をしてしまい医療機関とやりとり
当日の朝に予定していた業務がずれ込むなんて日常茶飯事。それでも、高齢者介護だから「明日に持ち越し」なんて出来ない。その日に終わらせなければいけない業務ばかり。
これが、介護職の残業が減らない原因のひとつです。
そんな中、労働環境改善のために厚生労働省では雇用改善のためのマニュアルを作成したそうです。
このマニュアルの中には「時間外労働が生じる原因を分析し対策を講じる」とありますが、具体的にどうすればいいかは記載されておらず。
マニュアルで改善されるほど高齢者介護は単純ではありませんからね。
介護職で「残業ゼロ」は無理なこと。イレギュラーな業務が多い上、そもそも人手も足りない仕事です。
今の介護業界には「残業を減らす」のではなく「サービス残業をなくす、残業代を支給して職員の待遇を改善する」ということに重点を置くべきではないでしょうか?
サービス残業したくないなら介護派遣へ
サービス残業をなくすこと、残業代を支給して職員の待遇を改善することが求められる介護業界。
しかし、どこの介護施設もギリギリの経営状況。従業員に残業代を満額支給するなんて到底できそうになく、早期改善は見込めません。
そういった中、サービス残業がない、残業代が全額支給される派遣介護士への転職は、自らの行動で変えられる待遇改善策です。
「派遣=底辺」というイメージは過去のもの。労働基準法と労働者派遣法、そして不当な扱いから派遣会社が守ってくれます。
今の職場のサービス残業の多さに悩んでいるあなた。
サービス残業なし、そして残業代が全額支給される介護派遣という働き方なら、もう悩む必要ありませんよ。